遺産相続の相談を長崎で活動する岩永法律事務所 相続相談室がお手伝い致します。

相続Q&A
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相続Q&A

相続とは何か

  • 相続とは何ですか?
    • 相続とは、ある人の死亡に伴って、その死亡した人(被相続人と言います)がもっていた財産を、一定の親族(相続人と言います)に引き継がせる制度をいいます。
  • どのようなときに相続が発生するのですか?
    • 人の死亡によって相続が発生します。人とは、会社などの法人は含まず、自然人を指します。また、死亡とは、自然死のほか、失踪宣告(長期間の行方不明などの人について死亡したものと見なされる裁判上の手続き)や、認定死亡(水難事故などの際に、遺体が見つからなくても死亡したことが推定される行政上の手続き)も含まれます。
  • 相続手続きはどのように進めるのが一般的なのでしょうか?
    • 〈時間的制約のある手続きは次のようになります〉 〈遺産の分割については次のようになります〉  
      7日以内

      有りの場合 (遺留分減殺の可能性有り)
      ・死亡届の提出(市区町村に提出) 自筆証書遺言 検認→遺言書の執行
        公正証書遺言 遺言書の執行
      3ヶ月以内 無しの場合  
      ・相続放棄、限定承認の手続き 単純承認 相続放棄 限定承認
        相続人の確定  
      10ヶ月以内 遺産調査
      ・相続税の申告、納付







      遺産分割
      協議書作成






       
      12ヶ月以内



      調


      ・遺留分減殺請求
        調




       
  • 遺言書があるかないかによって何が違いますか?
    • 遺言書がある場合には、その遺言書の内容に従って相続財産を分けることになります(なお、遺留分を侵害している場合、遺留分減殺請求を受ける恐れがあります。遺留分の制度については、別に記載しています)。遺言書がない場合には、法定相続人間で協議を行って相続財産を分けることになります。

相続人の範囲

  • 誰が相続人になりますか?
    • (例1)
       配偶者と子供がいる場合
       →配偶者が1/2、子供が1/2(子供が複数の場合、1/2をさらに平等の割合で分けます)の割合で相続します。

      (例2)
       配偶者と父母がいる場合
       →配偶者が2/3、父母が1/3の割合で相続します。

      (例3)
       配偶者と兄弟姉妹がいる場合
       →配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4の割合で相続します。

      (例4)
       配偶者だけがいて、子供、父母、兄弟姉妹がいない場合
       →すべて配偶者が相続します。

      (例5)
       子供、父母、兄弟姉妹がいる場合
       →すべて子供が相続します。
  • 子供が死亡して、孫がいるのですが、誰が相続人になりますか?
    • 子供が、被相続人よりも先に死亡している場合、その死亡した子供の子供(被相続人の孫)が相続します。このような場合を、代襲相続といいます。孫も先に死亡していた場合、さらにその子供(被相続人の曾孫)が代襲相続します。以上のような代襲相続は、兄弟姉妹が相続人になる場合も生じます。つまり、本来相続人となった兄弟が被相続人よりも先に死亡していた場合、その兄弟姉妹の子供(被相続人の甥、姪)が代襲相続します。もっとも、その甥や姪が先に死亡していた場合でも、さらに甥や姪の子供が代襲相続するということはありません。その理由は、甥や姪の子供となると、通例、被相続人とあまり付き合いもないですし、また、甥や姪の子供の代襲相続を認めると代襲相続人の数が膨大になり、相続関係が複雑になりすぎるためであるとされています。
  • 内縁の妻は相続人になりますか?
    • 相続人にはなりません。
    養子は相続人になりますか?
    • 養子縁組をした場合、養子は実の子供と同じ扱いを受けますので、養親の相続人になります。ここで注意が必要なのが、養子の場合、実の親との親族関係も残っていますので、実の親の相続人にもなるということです。養子に行ったから、実の親との関係では子供ではないと考えて遺産分割協議に加えなかったために、せっかくまとまった遺産分割協議が無効になってしまったという例もあります。もっとも、特別養子縁組制度(昭和63年1月1日施行)を利用して養子となった場合、実の親との関係が終了してしまいますので、実の親の相続人にはなりません。
    放蕩息子には相続させたくないのですが?
    • 子供が被相続人である親を殺したとか、遺言書を偽造したなど一定の事由があれば相続欠格といって当然に相続権を失います。また、被相続人に重大な侮辱を加えたなど一定の事由があるときには、相続の廃除といって、家庭裁判所に請求して将来相続人となるべき者の相続権を奪うことができます。さらに、将来相続人となるべき者には何も相続させない内容の遺言書を作成することはできますが、遺留分といって最低限の遺産を確保できる制度がありますので、この制度を利用されてしまうと、結局は放蕩息子にも最低限の相続分(法定相続分よりも少なくはありますが)が渡ってしまうことになります。このような事態を防止するために、上記の相続の廃除という制度があるといえます。
    親の遺産は借金ばかりなので相続したくないのですが、何か良い方法がありませんか?
    • 相続の放棄をおすすめします。相続人は自分のために相続の開始があったことを知ったとき(一般には、被相続人が亡くなったことを知ったとき)から原則として3か月以内であれば、家庭裁判所に相続放棄の申述書という書類を提出して相続の放棄を行うことができます。他の相続人の意向とは関係なしに自分だけ単独で相続の放棄ができます。相続の放棄を行えば、相続人ではないことになりますので、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しません。
    親の遺産はプラスの財産が多いか、マイナスの負債が多いがはっきりしなくて、
    そのまま相続するのが不安なのですが、何か良い方法がありませんか?
    • 相続の限定承認をおすすめします。相続人は自分のために相続の開始があったことを知ったとき(一般には、被相続人が亡くなったことを知ったとき)から原則として3か月以内であれば、家庭裁判所に限定承認の申述書という書類を提出して相続の限定承認を行うことができます。相続の放棄とは違って、相続人が複数いる場合には、相続人全員一緒でなければ限定承認はできません。相続の限定承認を行えば、プラスの財産もマイナスの財産も一応承継しますが、借金などの支払いの責任はプラスの財産の限度でしか負担しないこととなります。

相続財産の範囲

  • どのようなものが相続財産になりますか?
    • (プラスの財産)
      不動産(土地・建物) ・・・宅地・居宅・農地・店舗・貸地など
      不動産上の権利・・・借地権・地上権・定期借地権など
      金融資産・・・現金・預貯金・手形・小切手・株式・国債・社債・貸付金・売掛金など
      動 産・・・車・家財・骨董品・宝石・貴金属など
      その他・・・ゴルフ会員権・著作権・特許権

      (マイナスの財産)
      借 金・・・借入金・買掛金・手形債務・振出小切手など
      公租公課・・・未払の所得税・住民税・固定資産税
      保証債務
      賃貸人の地位
      その他・・・未払費用・未払利息・未払の医療費・預かり敷金など
  • 退職金は相続財産になりますか?
    • 被相続人が退職した後に死亡した場合には、退職金は単なるお金(受領済みの場合)、または金銭請求権(未受領の場合)ですので、当然、相続財産になります。被相続人が在職中に死亡して、死亡退職金が発生した場合は、受給資格のある遺族が、固有の権利として受け取るので、相続財産ではないものとして扱われます。
  • 生命保険金は遺産になりますか?
    • 保険金受取人が保険契約に基づく固有の権利として受け取るので、相続財産にはなりません。
    仏壇やお墓は相続財産になりますか?
    • なりません。祖先の祭祀を承継する人(一般的には、配偶者や長男がなることが多いと思われます)が単独で受け継ぐことになります。

遺産分割

  • そもそも遺産分割とは何ですか?
    • 相続人が複数いる場合、全員が各相続分に応じて遺産の全体を共有していることになります。たとえば、遺産が甲土地と乙土地の2筆あって、相続人がA、Bの2名(相続分1/2ずつ)の場合、甲土地も乙土地もそれぞれA、Bが1/2ずつ共有していることになります。このような状態を解消して、特定の財産を特定の相続人に帰属させることを遺産分割といいます。たとえば、上記の例でいうと、甲土地をAの単独所有に、乙土地をBの単独所有に決めたりします。被相続人が遺言書を作成していた場合には、その遺言書の内容に従って相続財産を分けることになりますので、通常は遺産分割は必要ありません。遺言書がない場合に遺産分割が必要になります。
  • 遺産分割はどのように進めたら良いのですか?
    • まずは、相続人全員の協議でどのように遺産を分けるかを決めます。     
      協議がまとまらないときには、家庭裁判所に調停を申し立てて、家庭裁判所で協議を進めることになります。調停がまとまらなければ、裁判所が当事者の主張や証拠を考慮して、審判(判決のようなもの)を出して遺産を分割することとなります。遺産分割でもめやすい事例としては、次のようなものがあります。
      ① 各相続人間で交流がなく互いの信頼関係も希薄な場合(被相続人の前妻の子供と後妻の子供とが
        相続人である場合などに多く見られます)    
      ② そもそも遺産なのか否かについて争いがある場合(長男名義の不動産があるが本当は父親の財産で
        あるなどという主張はまま見られます)    
      ③ 被相続人の世話をしていた相続人が、被相続人の財産と自分の財産とを明確に区別せずに使っていた場合    
      ④ 相続人の一人が被相続人から多額の生前贈与をもらっていたような場合(特別受益の問題になります)    
      ⑤ 相続人の一人が被相続人を療養看護していたような場合(寄与分の問題になります)
  • 遺産分割協議書はどのように作成するのですか?
    • たとえば、次の見本のように、各遺産を誰が取得するのか明記し、前相続人が署名し、実印を押します。
      遺 産 分 割 協 議 書
      被相続人山田太郎の相続人山田花子、同山田一郎、同山田二郎は、被相続人の遺産を下記のとおり分割することに合意する
      第1条  相続人山田花子は、次の相続財産を取得する。
      1 土地 所 在 長崎市○○町1丁目
      地 番 2番3号
      地 目 宅地
      地 積 180.00平方メートル
      2 建物 所 在 長崎市○○町1丁目2番3号
      家屋番号 2番3号
      種 類  居宅
      構 造  木造瓦葺2階建
      床面積  1階100.00平方メートル
           2階65.00平方メートル
      3 負債 ○○銀行興善町支店100万円
      第2条 相続人山田一郎は、次の相続財産を取得する。
        ○○銀行大波止支店   普通預金 口座番号
        ○○銀行銅座支店    定期預金 口座番号
      第3条 相続人山田花子は、その取得した相続分の代償として、相続人山田二郎に対して、金○○万円を支払う。
      第4条 本遺産分割協議書により、被相続人の遺産は全て分割されているが、万一今後、本件遺産分割協議書記載の遺産以外の遺産が発見されたときは、別途話し合いをする。
      第5条 本件各相続人は、相互に協力し、円滑な遺産分割の実現に必要な署名・捺印についても誠実に行うものとする。
      以上のように相続人全員による遺産分割協議が成立したので、本件遺産分割協議書を3通作成の上、本件各相続人は各1通を所持するものとする
      平成○○年○○月○○
      相続人 山田花子  
        氏名  
        住所 実印
      相続人 山田一郎  
        氏名  
        住所 実印
      相続人 山田二郎  
        氏名  
        住所 実印
    相続人の中に未成年者がいるのですが、遺産分割はどのように進めるのですか?
    • 未成年者は協議に参加できませんので、通常は法定代理人である親権者が未成年者の代理人として協議に参加します。ただし、未成年者と親権者がともに相続人である場合は、両者の利害が対立しますので、家庭裁判所に未成年者の特別代理人を選任してもらう必要があります。たとえば父親死亡後に、母、未成年の子2名が相続人となる場合には、母親の相続分を多くすれば子供の相続分が少なくなるという具合に利害が対立しますので、特別代理人が必要となるのです。この例の場合、それぞれの未成年者に、1名ずつ別の特別代理人が選任される必要があります(1名の特別代理人が2名の未成年者を代理すると、どちらの未成年者の取り分を多くするかで、未成年者同士の利害が対立するからです)。特別代理人としては、第三者的な親族(おじ、おばなど)や弁護士などが就任する場合が多いようです。
    相続人の中に行方不明の者がいるのですが、遺産分割はどのように進めるのですか?
    • 行方不明者の生死が7年以上不明のときは、家庭裁判所に失踪宣告を求めることができます。失踪宣告があれば、その行方不明者は死亡したものとして遺産分割を進めていきます。失踪宣告がない場合には、その行方不明者の財産を管理するために相続財産管理人を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。相続財産管理人としては、第三者的な親族や弁護士が選任されることが多いようです。
    被相続人である亡父親名義の不動産があるのですが、実際にはこれは長男である私の財産です。このような場合でも、父親名義である以上、この不動産は遺産分割の対象になってしまうのでしょうか?
    • 他の相続人も、その不動産が長男の財産であって亡父親の遺産ではないと認めているのであれば、遺産分割の対象から除外すれば足ります。問題は、亡父親の遺産か、長男の財産か争いがある場合です。この場合、話し合いでも解決しないときは、民事訴訟で遺産確認の訴えを起こして解決することになります。
    父から、兄弟3人で不動産を相続しました。どのような遺産分割方法がありますか?
    • 遺産分割は、遺産の性質や種類、各相続人の年齢、職業、心身の状態、生活状況その他いっさいの事情を考慮して行うこととされています。個々の遺産をすべていずれかの単独所有としてもよいし、数人の共有としても構いません。一筆の土地を分割して、その分割された土地を単独所有してもよいし(現物分割)、誰かが単独所有して、その代わりに他の相続人に金銭を払うことにすることもできます(代償分割)。
    兄弟の中に、被相続人である父から、生前に、財産をもらった相続人がいます。このような場合でも、相続人同士では、もらった財産を考慮せずに法定相続分に従って遺産分割することになるのでしょうか?
    • 被相続人から生前に贈与を受けたような相続人がいる場合、その贈与額を考慮せずに、被相続人の手元に残っていた遺産だけを法定相続分に従って分割するのでは、公平とはいえません。そこで、このような場合、その生前に贈与を受けたような財産を特別受益と呼び、特別受益の価格を被相続人の遺産額に加えた上で、相続分を計算することになります。たとえば、被相続人である父の遺産が2700万円であったとして、長男が300万円の生前贈与を受けていた場合で、相続人が子供(長男と二男)2人だけだったとすると、遺産は2700万円+300万円の3000万円になります。これを2人で分割するので、それぞれの相続額は1500万円となります。長男は相続額1500万円のうち、既に300万円は受領済みですから、300万円を引いて、1200万円が正味の相続額になります。一方、二男は計算額のとおり、1500万円が相続額となります。
    長男である私は、被相続人である父の家業を手伝ってきました。また、父が寝たきりになったときは介護もしてきました。このような場合でも、私の貢献度は考慮せずに法定相続分に従って遺産分割することになるのでしょうか?
    • 父親の家業従事して、父親の財産形成に貢献したような場合に、その貢献をまったく考慮せずに法定相続分に従って遺産分割するのでは公平とはいえません。そこで、相続人の中に、被相続人の事業に関して労務の提供や財産の提供をしたり、被相続人の療養看護をしたりして、被相続人の財産の維持または増加に貢献をした人がいるときは、その寄与の程度に相当する金額(寄与分といいます)をその貢献した相続人に先に与えることで公平を図ることになっています。たとえば、被相続人である父の遺産が3000万円であったとして、長男が特別の貢献をしたために、長男の寄与分が500万円と認められた場合で、相続人が子供(長男と二男)2人だけだったとします。この場合、寄与分を長男に先に与えますので、遺産を3000万円-500万円の2500万円であると考え、これを法定相続分に従って分割します。すると、子供たちそれぞれの相続分は、1250万円になります。長男はこれに加えて、寄与分の500万円が加算されますので、結局、長男が1750万円、二男が1250万円を相続することになります。

遺言

  • 遺言書の作成はどのようにしたら良いのでしょうか?
    • 遺言書には、船で遭難した場合に遺言だとか、伝染病で隔離された場合の遺言だとか特別な方式の場合もありますが、一般に利用されるものは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。自筆証書遺言は、文字通り、遺言者が自分で作成するもので、遺言書の全文、作成日付、氏名を自書し、押印(実印でなくても構いません)をするものです。自書しなければなりませんから、パソコンで作成したものは無効です。また、作成日付についても、はっきりと日付を記すことが必要ですから、たとえば「平成26年6月吉日」などと記載したものは、何日か不明のため無効になります。公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言です。証人2人以上に立ち会ってもらって、遺言者が遺言内容を公証人に伝えて公証人がそれに基づいて遺言書を作成します。公証役場は各地にありますが(長崎県ですと、長崎市、佐世保市、諫早市、島原市にあります)、体が不自由で公証人役場まで出向けないような場合には、公証人に自宅や入院先などまで来てもらうこともできます。当事務所では、遺言書が有効か無効かという争いをできるだけ防ぐために、弁護士が遺言者から内容を伺った上で遺言書の文案を作成し、これをもとにして公証役場で公正証書遺言を作成してもらうという方式を推奨しております。
  • 遺言書の内容を変更することはできますか?
    • 遺言書の内容はいつでも自由に変更可能です。ただし、変更する場合には、その旨の遺言書を新たに作成する必要があります。たとえば、公正証書遺言の内容について、自筆証書遺言で変更するということも自由にできます。
  • 遺言書はどのように保管したら良いのでしょうか?
    • せっかく遺言書を作成しても、遺言書が効力を生じるのは、遺言者が亡くなった後ですから、誰にも発見されない事態も予想されます。遺言書があることを、誰か信頼できる人に伝えておいた方が良いでしょう。公正証書遺言の場合、公証役場で保管されますから安心ですが、自筆証書遺言の場合は遺言者自身が保管方法を考える必要があります。相続人の一人に保管してもらうこともできますが、後日、他の相続人から遺言書を預かっていた者が自分に都合良く書き換えたのではないかという疑念を持たれることもあります。そのようなおそれがある場合、弁護士に保管してもらうという方法もあります。

遺留分

  • 私には、妻と2人の子供がいます。これまで苦労をかけてきた妻に、私の全部の財産を相続させる内容の遺言書を作成したいのですが、問題はないでしょうか?
    • 相続人となる人が遺産相続についてある程度の期待を抱くのはもっともなことですし、被相続人の収入や財産に頼って生活していた家族が遺産をまったくもらえないということになるのも不都合です。そこで、相続人に遺産のうち一定割合を確保することが認められています。これを遺留分といいます。なお、兄弟姉妹が相続人の場合には、遺留分は認められていません。つまり、Aの相続人が弟であるBだけの場合(Aに配偶者も子供もなく、親も既に死亡し、兄弟がBだけの場合)には、Aが遺産を全部第三者に寄付する遺言を作成していたとしても、Bは何も言えないことになります。遺留分の割合は、直系尊属(父母、祖父母など)のみが相続人であるときは相続財産の1/3、その他の場合には1/2となっています。複数の相続人がいるときは、その遺留分の割合を法定相続分に従って分けることになります。以上のような遺留分を侵害するような遺言がされた場合、遺言自体が無効になるわけではありません。しかし、遺留分を侵害されたものは、侵害されたことを知ってから1年以内に限り遺留分減殺請求を行うことができます。この遺留分減殺請求を行うことで、自分の最低限の取り分である遺留分を取り返すことができるのです。設例の場合、遺留分割合は1/2となり、これを法定相続分(妻1/2、子供1/4ずつ)で分けると、妻の遺留分割合1/4、子供の遺留分割合1/8ずつとなります。そこで、被相続人が全財産を妻に相続させる遺言を行った場合、妻が子供たちからそれぞれ1/8ずつ(2人合計で1/4)の遺留分を引き渡せといわれる可能性があることになります。もちろん、遺留分減殺請求を行うか否かは子供たちの自由ですから、被相続人としては、遺言書を作成するに当たって、なぜそのような遺言書を作成するのか、子供たちによく説明しておいて、将来の紛争を予防しておいた方が良いでしょう。
  • 父親が死亡して、兄と私とが相続人になりました。ところが、父親の遺言書が見つかって、その遺言書によると、父の全財産を兄に相続させるという内容になっていました。私は、父の遺産について何も言えないのでしょうか?
    • まず、その遺言書が有効なのか否かが問題となります。たとえば遺言書が作成された時期には、父親は認知症で病院にもかかっていたというような場合には、遺言書を作成するだけの能力がなく、遺言が無効である可能性があります。病院のカルテなども取り寄せて、当時の父親の判断能力に関する資料を集めてみる必要がありそうです。遺言書が有効であるとしても、その遺言は遺留分を侵害していますので、遺留分減殺請求を行うことができます。遺留分割合は、全体の遺留分1/2×法定相続分1/2=1/4となりますので、遺産のうち1/4について引き渡すよう兄に請求できます。

会社の承継

  • 株式会社の代表取締役をしていた父が突然死亡し、私が唯一の相続人となりました。私が相続人として、会社の代表取締役になるのでしょうか?
    • 株式会社の取締役は、株主総会で選任され、取締役会設置会社では、取締役会で代表取締役が選任されますので、相続人が当然に代表取締役に就任するわけではありません。株主の意向によって左右される事項ですので、もし被相続人が100%の株式を保有しており、それをそのまま相続することができたのであれば、新たに株主総会を開いて、自分を取締役に選任することもできるでしょう。
  • 株式会社の代表者が死亡しましたが、後継者がいません。取引先や従業員のためにも会社を存続させていきたいのですが、どのような方法がありますか?株式会社の代表取締役ではなく、個人事業主が死亡した場合はどうでしょうか?
    • 会社の株式を引き継いだ相続人が誰も経営を引き継ごうとしないということはよくあることです。このようなときは、相続された株式を全部売却して、その代金を配分した方が会社の存続も図れ、相続人も代金を受け取ることができるので有益です。問題は、株式を買い取ってくれる人がいるかですが、当該事業の同業者の中には、事業の拡張を狙って他者の買収を行いたいと考えているような会社もありますから、そのような会社にアプローチして行く必要があります。法律事務所や金融機関などのネットワークを利用して、売却先を探していくことになります。個人事業主が死亡した場合も、上記とほぼ同様ですが、個人事業主の場合、株式がありませんから、株式を売却するという方式はできません。事業そのものを売却する、事業譲渡という方式をとることが多いと思います。この場合も、事業の売却先を探していくことになります。

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